人の欲望に謎の興奮を覚えた話。
家の周りから豚骨ラーメンの匂いがする。
どうも、バナナの皮です。
少し前の出来事なんですが
あれは自転車に転がされながら街中を走っていたある日のお昼。
私は職場の買い出しの為、スーパーに向かっていた。ちなみに社用チャリである。
転がってると前から自転車が向かってきた。
男性で50代前半と言ったところだろうか。
そして男とすれ違う寸前である。
彼は私の耳元に顔を寄せ、小さな声で言葉を放った。
「ヤラせて」
?
私は一瞬思考が停止した。
聞き間違いかと思い、すぐさますれ違った男の方を振り向くと
また男も、私の方を少し微笑みながら見ていた。
あ、ほんとに言ってたんだね!?( ^ω^)
バナナは買い出しを終え職場に戻り
仕込みをしながら上司に先程あったことを話した。
「またえらい気持ち悪い話やな」
「違うんです、気持ち悪いで終わらせる話じゃないんです」
興奮する私を見て上司は引いていたが私の勢いは止まらない。
「初対面の、ほんの5秒
顔を一瞬見ただけの人間に「ヤリたい」という感情が芽生え
それを更に相手に伝えるべく言葉に出すってすごくないですか?!!」
「お前何言うてんの」
「もう二度と会うことのない可能性のほうが高い人間に、自分の欲望を包み隠さずストレートに伝えてくるほどの欲にまみれた人間、見たことありますか??
私はあります!!!!つい!!!先程!!!!!」
「静かにして笑って手切る」
「ピエン丸」
その後、しばらく上司は額を抱えて震えていた。
「頭痛いんですか?」
「頼むから、今俺に喋らんといて」
人の熱弁が笑いのツボに入ったそうだ。なんて失礼なやつだ。けしからん。
欲望に忠実だなオジシャン、と感心したお話でした。